WOOD SURFACE MATERIAL
200年建築に選ばれる国産材
フランウッドヒノキ 豊田市産材
フランウッドスギ
(左ラフ 右かんながけ)
自然で美しい風合いの木材
フランウッドは防腐性能や寸法安定性などを上げるために重金属や石油由来の成分、殺菌・殺虫成分を使っていません。100%植物由来の原料から作られています。端材など一般の木材と同様に、焚き火などで不自然な匂いを発生させることなく燃やすこともできます。
フランウッド化によりスギ、ヒノキはチークやローズウッドに近似した茶褐色になります。そして、塗装や人工木材では再現できない、木目が生かされた自然の美しさを持っています。また、熱処理とも異なり、適度な湿り気が、木材の持つ本来の自然の質感・風合いを保ちます。
フランウッドは、経年で艶やかなシルバーグレーへと変化していきます。フランによって、木材内部の紫外線による劣化(リグニンの破壊)が抑制されるため、汚れた外観にはならず、また、経年により木材の腐朽性能や寸法安定性などの機能が劣化していくこともありません。
屋外で使っても長持する木材
一般的な木材では、木材を紫外線や雨風にあたる環境で使用すると、塗装など定期的なメンテナンスが必要です。一方、フランウッドは、疎水性が高く、しかも、リグニンの破壊を抑制し木材の劣化を防ぐため、耐久性を上げるための塗装などのメンテナンスは不要です。ウッドデッキで30年、外壁で50年以上持ちます。
フランウッド化したスギ、ヒノキはJIS K1571による室内防腐性能試験、野外防腐性能試験、野外防蟻性能試験で、木材最高レベルの生物劣化抵抗性を持つことが確認できました。
この、防腐性能試験の結果を受けて、フランウッドでは、耐腐朽保証20年という国産材メーカー最長の保証期間をもうけています。
フランウッドは紫外線や⽔による劣化(反り、割れ)を抑制します。劣化の原因となる光・熱・⽔の影響を与えることで、短期間で劣化を促進させ、外観変化を調べる耐候性促進試験メタルハライドランプ102時間照射実験において、フランウッドは反り、割れの経過観測において、ほとんど変化が見られませんでした。
フランウッド化により、寸法安定性を示すASE [Anti-swelling efficiency:(無処理材の膨潤率-処理材の膨潤率)/無処理材の膨潤率x100] 値が高くなっています。木材の接線方向の寸法変化(全乾から飽水)も処理前と比較して半減しています。フランウッドスギにおいてはチーク材並みの寸法安定性を実現しています。
フランウッド化により、部分圧縮強度が大幅に高まり、スギ板目では2.5倍、ヒノキ板目で2倍です。また、ピンポイントな圧力に対するへこみにくさを示すブリネル硬さも、無処理材と比較してスギで2.3倍、ヒノキで1.7倍増加します。一方、イペのような硬度にはならず、現場での加工も容易に行うことができます。
フランウッド化したスギ、ヒノキはJIS K1571による室内防腐性能試験、野外防蟻性能試験で最高レベルの生物劣化抵抗性を持つことが確認できました。これら試験での質量減少率によってクラス分類する、耐久性の欧州規格EN350のDURABILITY CLASS(耐久性等級)において最上位であるDC1に分類されます。
世界の森と美しい街を守り育てる
木材をフラン処理した際の重量増加率は50%程度です。木材素材100gでは炭素固定量が50gであったものが、フラン処理を施すと、87.5gとなり、木材素材の1.75倍となります。フランウッド1m3中スギで1,219kgCO2、ヒノキで1,315kgCO2の二酸化炭素換算の炭素を固定します。また、フランウッドは、処理前の木材と比較し長く使える(約10倍)ため、約17倍の炭素の長期固定が可能になります。
世界の針葉樹に比べ、日本固有種スギ、ヒノキがフランウッド化に最も適した樹種であることがわかりました。フランウッド化により日本が最高級ハードウッドの資源国になります。しかも、植物由来であるフラン化合物は稲藁、籾殻、竹、製材や林地残材を原料に生産可能です。中山間地域の資源が全てアップグレード利用可能となり、日本の美しい地域を守ることができます。
アマゾンの熱帯原生林に美しく咲くイペの花。ブラジルの国花でもあります。このイペをはじめとする高級ハードウッドは、世界からその性能と美しさを求められ、違法伐採なども続き、現在では枯渇性資源となっています。フランウッドは、推定1,000万m3の高耐久木質建材の世界市場に進出し、最高級ハードウッドを代替することで、生物多様性豊かな熱帯雨林を守る一助となります。
製造プロセス
フラン処理の原理